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玄翁(ゲンノウ) |
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| 玄翁 <鉄製のつち。片面は平面、片面はやや球状にふくらみ、用途、場所により使いわける。石工・大工などが使う。かなづち>広辞林 金槌 <金属で作ったつち。主に釘を打つために使う。釘抜きがついたものもある>げんのう広辞林 この道具はどこの家庭にでも一丁ぐらいはあるだろうと思えるほどに、一般的なものです。 鉄のかたまりに柄をつけて、目的とするものに振り下ろし、たたく。 使われ方の基本も、まったくのところ原始的なものです。 ここではゲンノウ、カナヅチと言葉を分けて使っていますが、それではこれらに違いがあるのでしょうか。 ゲンノウ、カナヅチの遠いは、この項の最後には明らかにするつもりですが、 その前にこれをお読みのみなさんも、もしゲンノウなりカナヅチらしきものをお持ちでしたら、それをとり出して、ながめ、触り、くらべつつ、これをお読みになることをお薦めいたします。
これは玄翁の重さが違っていても変わりません。 そこで仕事をする時は、いつも柄の手元を持つことになります。 ここで問題となるのが、重心というか、力の流れる向きです。 ただ真直ぐにすげられた柄や、間違って曲げられた柄では、どうしても重心が頭の上に上ってしまい、何度も振り下ろすうちには横振れをおこします。
穴屋の玄翁は頭の丈が長く、太さは細くなっています。 つまり型は違っても、重さとしては変わりません。 これは重心を下げた玄翁を使い、横振れなく振り下ろすことができるようになってはじめて可能なことです。 つまり、ねらった点へ玄翁を振り下ろすことができます。 力が伝わりますのは、点が小さければそれだけ確実になりますから、大変合理的だったと言えます。 ゲンノウの柄のすげ方です。本職の使うゲンノウには、上図に記したようないくつかの工天があります。 普通ノミや釘を打つ面は平らにしてあます。 反対側の中高の木殺し面は、釘を最後に仕上げる時などに使い、中高となっているのは木を傷つけないためです。 ゲンノウの平らな面を使うときのために、柄は全体に曲ったものとなり、頭と手のバランスをとるようになっています。 重心を下げた横振れしないゲンノウとは、どういう工夫があったのでしょう。 玄翁の柄入れを見ると、曲って見えます。 しかし、ただ曲がっているだけでは、重心は上つてしまい、横振れするものとなります。 同じ曲がりに見えますが、実は、通常曲がる方と反対の面へも、わずかながら反っています。 これによって力の向きが下へ移り、重心が下がることになります。 どう見ても下へ反っているように見える柄の上に定規を当ててみると、確かに柄は逆に反っています。 反りながら頭の方に向けて、柄は怖いくらいに細く薄くなっています。 柄を正面から見ると、手元を太く、頭の方を細くというのが理想です。 玄翁をにぎった時には、手はこの正面からかけるかっこうになります。 その時には、正面から見た柄の手元の張りが、玄翁のすべりを自然に止めてくれることになります。 普通ゲンノウは、出来上りからみると2まわりも3まわりも太い材から削り出してつくっていきます。 材は樫の木が一般的ですが、まれにツゲやウツギなども使われます。 そして穴の寸法、長さのバランスなどを慎重にとりながら、反台カンナで削っていきます。 最後の仕上げはトクサなども使われるようですが、サンドペーパーをかける人が多いようです。 玄翁の柄の先には絶対にクサビを打ちません。 はじめに柄をすげる時から、頭の穴をきちんと計っていれば、クサビは必要ないのです。 また穴は、中張りとなっているので、柄をしっかり押さえてくれます。 そこへ充分に乾燥した材を入れるのですから丈夫なものです。 しかし、それでも自然の木のことです。 長年のうちには縮むこともあります。 そんな時には紙を一枚、そしてさらにゆるんだらもう一枚という具合に加えていき、柄の方に手をつけるべきではありません。 クサビを打つことは、木を割くことになって、柄の強度を下げます。 柄の上り具合には違いがあります。 玄翁の頭を平らなところにつけて、手元とのアキつまり上りを見ます。 この上りは、仕事の内容、玄翁の使い方によって違います。 大玄翁だと、ヒジを身体につけての仕事では指一本、ヒジを上げは一本半、さらに穴屋のように大きく振り上げる場合は二本半ほどです。 ヒジを上げれはそれだけ行動半径が広がる。 つまりそれだけ上手な仕事となります。 ヒジを上げない仕事は田舎仕事だとされて、それぞれ麻布一本、八丁堀一本半、浅草二本半などと対応していたようです。 玄翁と金ヅチの違いは、重心の問題です。 玄翁で重心を下げる工夫がなされていたことは前述しましたが、それならは頭の上半分を軽くしてやれば、簡単に重心は下がります。 しかし、ノミ使いの玄翁では、返し玄翁といって玄翁の両面を使うために、半分を削り取ることはできません。 釘打ちはノミ使いとは違います。 釘打ちでの能率を考え、釘打ち専用として出来上ってきたのが金ヅチです。 重心の下った金ヅチを使えば、小きざみに打ち込まれる釘のききもよく、また源翁にくらべて仕事が楽でした。 金ヅチのこの型は、そんなところから完成されてきたものです。 釘というと2〜3センチからせいぜい5センチ程度のものが、通常私達のまわりにあるものでしょう。 しかし、大工仕事にはもっと長い5寸つまり15センチ程のものまで使われますし、その長い釘を一日打っているのです。 小さな釘は材にすぐ入ってしまい、曲がることも少ないのですが、長い釘を堅い材に打ち込もうとすれは、これは曲がります。 一度曲がってしまった釘は、それを元に戻してもなかなか材に入っていきません。 それは元に戻した釘が、ちょうど図のようになっているためです。 力がまっすぐ加わらないため、なかなか入ろうとせず、また曲がってしまう。 そんな調子でやっかいなものです。 こんな時は、曲がった釘をペンチや釘抜きなどで押さえてやると、不思議と入っていきます。 ゲンノウはすべて同じ形をしていますから、重さで分けられます。 ゲンノウとカナヅチの種類を記しておきます。 大ゲンノウ 200匁 180匁 150匁 中ゲンノウ 120匁 100匁 小ゲンノウ 80匁 60匁 豆ゲンノウ 30匁 (1匁=3.75グラム) |
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