ハードとしての確実な家作り : 実践編

10.設備工事   その1

 建築工事も、このあたりまで進んでくると、いろいろな設備工事が入ってきます。
設備とは、電気や、ガス、水道のことをさし、正確には、電気設備工事であり、ガス設備工事ですが、それぞれの工事については、最後にまとめて述べます。
ここでは、壁や天井裏に隠れてしまう部分と言うことで、設備一般について述べておきます。

 

 壁や天井が仕上がってからでは、電気の配線や水道の隠蔽は、できなくなってしまいます。
天井裏、床下や壁の中に、配線や配管を隠すため、こうした設備工事を先行させるわけです。
鉄筋コンクリート造ですと、設備工事はいささか厄介なのですが、木造の場合は簡単です。
しかし、設備工事は歴史が浅いため木とのなじみが悪く、また、大工も設備屋まかせにする例が多いので、注意深い配慮が必要です。

 まず、電気です。
着工する前に、電気は電気設備として、設計がなされています。
つまり、どの部屋には、どんな電灯をつけて、どこにコンセントをつけるのが、適当かといったことは充分に検討されているはずです。

 最近では、電気を必要とするものが増えており、家の完成後、予期せぬ新製品の登場があったりして、あわてることがあります。
将来のことにたいしては、ある程度予測できる範囲の中で、最大限と言うことを考えておけば充分だと思います。
なぜなら、設備類は日進月歩ですし、総工事費には枠があり、設備にだけ特別にお金をかけるわけにはいかないからです。
病院のように、新しい医療設備の有無が、その建物の重要な使命である場合はともかく、住宅にあっては設備がその本質ではないと思うからです。

 ホームセキュリティ設備が、最近は話題になっています。
いまこれを住宅に取り入れることの是非を問われれば、匠事務所では否と応えます。
と言うのは、こうした設備がないと、生活ができないかといえば、なくても生活はできるからです。
住む器=住宅にとって、設備はいつもあれば便利だにすぎないもので、不可欠の必需品ではありません。
つまり、匠事務所では、新しい設備はほどほどに、といいたいわけです。


 一度施工の現場から、設計つまり着工前の状態に戻って考えてみます。
電気設備は、照明とコンセントに大別されます。
照明については、部屋の様子や外観の設計を進める途中で、それも含んで計画が立てられていたと思います。

 この部屋は、天井から吊るペンダント形式がいいか、間接照明がいいか、といった検討がなされていたはずです。
また、容量はどのくらいか、100ワットが 3灯か、60ワットが 5灯か、スイッチはどうする。
蛍スイッチか(スイッチの中に豆電球が内蔵されているので、暗くてもスイッチがどこにあるかわかる)、消し遅れスイッチか、三路スイッチ(二カ所で入り切りができる)か。
こうしたことは、着工前に充分に検討すべきことでしょう。


 コンセントの高さや位置も、検討の対象です。
コンセントはタンスや、本棚のかげに隠れやすいので、多めにほしいとよく言われます。
しかし、コンセントがタンスのかげに隠れてしまうのは、実は設計が不十分だったのではないでしょうか。
新築なら、タンスなどの大きな家具は、納戸やタンス部屋に納まっているはずで、室内にないのが当り前です。
また、たとえテレビや本箱などを部屋におくとしても、どこに配置するかはある程度予測はつきます。
とすれば、コンセントの位置はおおむね設定できる、というべきでしょう。


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「タクミ ホームズ」も参照下さい